読者対象:ECサイトに興味あるけどまだも右も左も分からない。ECの概要を知りたい
この記事を読んで得られるもの:ECの収益の基本構造、初めの第一歩的に必要となる基本情報
今回は近年市場規模を年々上げているECサイトに注目し、そのECサイトのマーケティングについて簡単にまとめた記事になります。
ECサイトの売上は、アクセス数×購入率×客単価の方程式で計算します。
この売上を伸ばすために理解しておきたいのが、ECマーケティングの手法。
マーケティングとはそもそも顧客の置かれている状況を理解し、そのニーズを的確に満たすことで商品やサービスを効率よく販売するための考え方です。
従来のマーケティングは実店舗や訪問営業など、対面での販売活動を前提としたものでした。
ネットでモノやサービスを売るECサイトのマーケティングでは、そこにプラスしてオンラインならではの特徴が加わります。
ECマーケティング施策を考える際は、まず以下の3つのポイントをおさえることが基本です。
- ターゲットとなる顧客のいるエリアを見定めること
- 顧客とはPCやスマートフォン・タブレットを介してコミュニケーションをとること
- 顧客を分析する際に、ネット上での行動履歴などの大量のデータを用いること
これらを踏まえてアクセス数・購入率・客単価をそれぞれ改善することで、ECサイトの売上アップを目指していきます。
今回はこの3つのテーマでお話しします。
ECの基本法則

まずは、ECサイトの売上に関する基本的なことを抑えておきましょう。
一般的に考えられている法則は以下の式のようになります。
ECの売上=訪問数×コンバージョン率(CV率)×客単価
というものです。
どのくらいのユーザーが訪問してくれて、どのくらいの転換率で、一人当たりの金額がいくらなのかという要素が組み合わさって成り立っているものがECの売上になります。
しかし、これでは抽象的すぎて具体的にどういうことなのか想像できないかもしれません。
そこで、この式を元にもう少しこのECの売上に関して掘り下げていく必要があります。
そもそも、ECの売上について改めて考えてみると以下のような考え方ができると思います。
ECの売上=新規売上+リピート売上
これは、ECサイトに訪れて商品を購入に至ったユーザーを大きく2つに分けた考え方になります。
なので、これらの式からわかるように訪問者やコンバージョン率、客単価などのようなそれぞれの項目の数値をあげることにより、売り上げをあげることができます。
さらに、これら二つの要素を深掘りしていくと、それぞれの要素を構成している項目が見えてくると思います。
新規売上=新規訪問者からの売上、購入経験はないがリピート訪問者
リピート売上=非会員のリピート売上、会員のリピート売上
となります。
では、一旦ここまで掘り下げて段階で見えてくる課題や対策があるかと思います。
新規訪問者
課題:ECサイトに訪問したことないユーザーをどのようにして呼び込むのか
対策:SEO対策を施す、アフィリエイトをはじめとする広告対策
非購入者のリピート訪問者
課題:ECサイトの訪問はしているのに購入はしてくれない
対策:リターゲティング広告で対策、非購入者のメルマガ会員化、SNSの活用
リピート売上
課題:再度購入してもらうための対策
対策:アフターケアなどで顧客満足度を高める
販売する商品や業界によって、具体的な課題や対策はそれぞれ違うかもしれませんが、おおよその課題と対策は上記で述べたようになります。
これらの考え方を基本軸に運営していくことで、最初の売上を作り、そしてさらにその売上を伸ばしていくことができるでしょう。
ECサイトを運用する上での代表的なアーケティング手法

では、なんとなくECの売り上げの構造がわかったところで次に、ECでの代表的なマーケティング手法3つご紹介します。
Web広告
まずはWeb広告です。
Web広告とは、Googleなどでキーワードを入力し、表示された検索結果ページの上部に掲載される広告のことを指します。
広告はあらかじめ、ユーザーの関心が高いキーワードと関連付けることが可能なため、集客を行う際の施策として有効な手段です。また、広告の出稿により、自社や販売している商品・サービスの認知度を高めるなどの効果も期待することができます。
また、Web広告の中にもいくつか種類があるのでいくつかご紹介します。
Web広告はさまざまな方法で多くのユーザーに見てもらえると言う特徴があり、訪問者数をあげると言う効果が期待できます。
リスティング広告
リスティング広告とは、インターネット広告の一種で、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにて、ユーザーがキーワードを検索することで、検索結果ページの上部または下部に掲載されるものです。リスティング広告における料金体系は、ユーザーによって広告ページがクリックされた際に費用が発生する「クリック課金制度」です。クリック時に発生するコストは、出稿者が自由に設定することができ、設定コストによって広告が掲載される位置が変動します。
リスティング広告は、関連性の低いキーワードでユーザーが検索した時でも上位にページが表示されると言う特徴から、幅広い分野のキーワードでのクリック率を狙うことができこちらも訪問者数が上がると言う効果が期待できます。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、広告掲載枠を有するホームページやWebページをもつアフィリエイターによって掲載される、インターネット広告の一種です。アフィリエイト広告を出稿する際には、多くのアフィリエイターを管理するASPを通す必要があります。
アフィリエイト広告の代表的な料金体系である「成果報酬型」では、アフィリエイターがもつホームページなどで掲載された広告がユーザーによってクリックされ、さらに商品購入や資料請求など、何らかのコンバージョンに至った際に料金が発生します。アフィリエイターへの報酬に加え、ASPへの仲介手数料も支払う必要があります。
アフィリエイト広告については、アフィリエイターに直接宣伝してもらうことで自力では手の届かないにまで商材を拡散することができ大きな拡散力が特徴で、訪問者数と売り上げに直接貢献してもらえるかもしれません。
SNS広告
SNS広告とは、SNSをプラットフォームとして配信する広告です。代表的な媒体として、「Facebook」「Instagram」「Twitter」「LINE」「YouTube」「Tik Tok」が挙げられます。それぞれのSNSにおいて、テキストや画像、動画による広告が、広告掲載欄や投稿、ストーリーズ、タイムラインなどに掲載されます。
SNS広告における料金体系は、使う媒体によって異なりますが、ユーザーによって広告がクリックされた際に費用が発生する「クリック型課金」、広告の表示回数に合わせて費用が変動する「インプレッション型課金」などが代表的なものとして挙げられます。
SNS広告はSNSの日常生活に溶け込むという性質から、消費者の生活に一部に入り込めるという特徴があり、訪問者数、CV率などの全ての項目の売り上げに貢献することが期待できます。
メルマガ
次に、メルマガです。

メルマガには継続的に顧客を獲得する上で大事な要素になってきます。では具体的にどのような要素が大事になってくるのでしょうか。
いくつか見ていきましょう。
会員情報のターゲットを絞ってメルマガ配信
まず、マーケティングの基本中の基本ですが、万人受けを狙ったタイトルやコンテンツのメルマガを配信しても、効果は高くありません。
なぜなら、そのようなメルマガコンテンツは内容が薄くなるため、ユーザーに悪印象を与えるリスクが少ない反面、自分に関係があることか判断しづらく、開封率は伸びません。
メルマガタイトルを工夫する
数字を入れる
まずは、メルマガに限らずマーケティングの基本的なテクニックですが、タイトルに数字を入れる方法があります。なぜなら、数字がメルマガタイトルやブログタイトルに含まれることで具体性が増し、開封率やCTRに影響を与えるからです。
数字を入れることで具体性が増し、訴求力が強くなっています。特に価格で競合他社との差別化を図りたいEC事業者であれば、数字をタイトルに含めるメルマガテクニックは使いやすいはずです。
「限定」という文言を入れる
やはり、特別感や「今だけ感」があるタイトルは魅力的です。限定商品や、先着順というようなオファリングがある場合は、このような文言は使ってみるべきでしょう。「限定」という文言を、タイトルの先頭に入れて訴求力を強めました。普段から商品をチェックしている、意識の高いユーザーの目を引くはずです。
?をつけて理由や答えが気になるようにする
「?」をタイトルに付けて、ユーザーの関心を引くのは、マーケティングではよく使われる方法です。できれば、「?」を使うときは、「?」後に文言を入れずにタイトルはシンプルにした方が「?」の印象が強くなるので効果的です。ただし「?」を使う場合は、事前にメルマガの企画を十分考える必要があります。
SNSのアカウントを紹介する
メルマガは重要な媒体であることは間違いありませんが、同様にSNSも重要な媒体です。しかも、SNSの場合は、メルマガと違ってアカウントをフォローしているユーザーへのコンテンツ配信が簡単で、ユーザーの生活の中に溶け込みやすいというメリットがあります。
もし、SNSアカウントがあれば、メルマガでユーザーを自社のSNSに誘導すると良いかもしれません。
ただし、単にSNSアカウントを紹介するだけでは、なかなかフォローは見込めません。そこで、フォローしてくれた方に抽選でプレゼントを送るなど、キャンペーン企画をあわせて実施するとより効果的かもしれません。
レビュー

商品を購入するかどうかの意思決定を行うにあたり、消費者は商品の広告宣伝に触れたことで、その商品に興味を持って自ら情報を求めて検索するか、Amazonや楽天などのECモールで欲しい商品を検索して比較していくのが一般的です。
ただいずれの場合であっても、“レビュー欄の購入者の生の声を、その商品を買うかどうかの判断材料にする”という人は多いようです。
ここで、NTTレゾナントが過去2,107名を対象に行った、「クチコミ情報が実際に商品購入にどの程度影響を与えているのか」の調査結果をご紹介しましょう。
このデータによると、調査に参加した全体の8割の人が、商品やサービスを購入する際に「クチコミが気になる」と答えました。
また、全体の81%が「クチコミを信じる」と回答しており、特に年代が近い人や、考え方が近い人のクチコミに信頼を寄せていることもわかりました。「レビューの文章がしっかりしている」ことが信頼のポイントになっていることも、面白い結果といえます。
ではどのようにしてレビューを集めるのでしょうか?
身近な人に直接意見を聞く
見知らぬ誰かにレビューを書いてもらうことは、ECサイト立ち上げ当初は難しいものです。その前にまず最も身近な存在である、家族や友人に意見を聞いてみましょう。
身近な人に商品やサイトの感想もらうメリットは、忌憚のない意見がもらえてサイトや商品の見せ方などをすぐに改善することができる点です。そこで修正・改善ができたら、いよいよ外の世界にチャレンジしていきます。
SNSを利用する
商品やサイトの存在を知ってもらい、スムーズにクチコミを集めるための方法として、TwitterやFacebookなど個人間の繋がりで構成されるSNSを積極的に活用することも一つの手です。
SNSに商品やサイトの情報を投稿して「いいね!」や「フォロー」を獲得することで、リアクションしたユーザーのフォロワーへ商品やサービスの情報が拡散していくからです。
ユーザーインタビューを実施する
可能であれば購入者にインタビューを実施して、それを記事にすることでコンテンツの1つとする方法もあります。
購入者に個別に連絡したり、メルマガを発行していればメルマガ内で公募してもよいでしょう。インタビュー記事はインタビューを受けたユーザーがSNSに投稿してくれる可能性も高く、波及効果が期待できます。
またグループインタビューをサービスとして提供している市場調査会社や、学生層や主婦層など特定のターゲット層が集まっているメディアへインタビューの企画を依頼するのも一つの手です。
EC特有のメリットを活用する
まとめると、ECマーケティングは「広告」「メルマガ」「レビュー」のそれぞれの観点で対策をおこなっていく必要があります。
オンラインならではの特徴を活かすECマーケティングは、ここ数年で市場規模が大きくなっています。常に状況は更新されていくので、波に乗り遅れないよう、最新の情報をチェックしつつ自サイトにあった施策を実行していきましょう。
店舗には実店舗の売り方が、そしてECサイトにはECサイトの売り方があります。
ターゲットの広さや分析できるデータ量の多さを活かし、ぜひ効率的にサイトの売上アップを目指していくと良いでしょう。
参考文献
参考1
https://art-trading.co.jp/column/ec-ad-web/
参考2
https://corekara.co.jp/contents/sales-up/knowledge5/
参考3
https://www.ebisumart.com/blog/ec-mail/