今回解説するのは、ECサイトにおけるレビューの重要性と対策方法で、売上を増やすために非常に大切な要素になります。
ECサイトを構築したけど、思ったように売上を増やすことができず、苦労しているという方は、レビューを商品ページに記載したり、SNSでレビューを拡散することが、現状の課題解決のヒントになるかもしれません。
この記事ではまず、ECサイトにおいてレビューがどのような役割を果たしているのか詳しく解説したのちに、そもそもレビューをどのように集めれば良いのか、その方法を解説します。
そして、レビューはレビューでも集めただけでは意味がありません。その集めたレビューの活用方法から注意点までご紹介します。
目次
レビューの役割
まずは、ECサイトにおいてレビューはどのような役割を持っているのでしょうかそれぞれ詳しくみていきましょう。
購入の後押しになる
まずは、ECサイトのCVにつながる購入の後押しになるという点です。
まず、株式会社情報通信総合研究所が調査したデータで、ユーザーがレビューをどの程度参考にしているか、ユーザーがレビューを読む際に主に重視する点、レビューを読んだことで購入を決定した経験の割合のデータをもとに解説していきます。
まずこれらのデータからわかったことは主に3つあってそれは、
- レビューを参考に商品を購入する方は約80%以上
- ECサイトでは商品を手に取れないのでレビューを参考にしている
- レビューを参考にしているユーザーはEC利用者の約70%
では次に、それぞれのデータを詳しく分析していきましょう。
まずは、ユーザーがレビューをどの程度参考にしているかというものです。
このデータを見る限り、年齢が若い方ほど参考にする割合が高いことがわかります。
これはSNSをの利用者層とも相関性があり、SNSで商品名を検索して、実際に利用している方のレビューを見てから商品を購入している方が多いということです。
次に、ユーザーがレビューを読む際に主に重視する点、つまりレビューのどこに重点を置いて読んでいるのかというデータです。
レビューで参考にしていることは、情報の信頼性と情報量、最近の情報が含まれていることの3つが重視されていることが分かります。
このことからレビュー情報は、信頼性が高くなるように投稿者の性別や年齢などを掲載し、なるべくレビュー数を増やして情報量を多くすることが大切です。
また、情報の古いレビューは自動で削除される工夫も必要かもしれません。
そして3つ目に、レビューを読んだことで購入を決定した経験の割合です。
どの年齢を見ても、レビューを元に商品を購入した経験があることが分かります。
なので、どういった商品を扱う場合でも、基本的にはレビュー機能を搭載して、消費者がレビューを記載したくなる工夫をすることが大切と言えます。
SNSでの二次拡散
次のレビューの役割は、’SNSなどの二次拡散に繋がりやすい’というものです。
ECサイトの商品ページにレビューを直接投稿してもらう方法も効果的ですが、それとは別に、購入したユーザーにSNSでレビューを投稿することを促せば、二次拡散に繋げることができます。
Twitterなど拡散力の高いSNSでは、投稿されたレビューがリツイートによって複数ユーザーに二次拡散されます。
また、短時間で多くのユーザーにレビューを見てもらえるので、商品の認知拡大や、更なるレビュー投稿を促すこともできます。
レビューを効果的に活用したい場合は、SNSは絶対に欠かせない媒体です。
紹介したデータにもある通り、若い人ほどSNSで商品のレビューを参考にしてから購入する方が多いので、ECサイト運営を行うにあたり、SNS運用も同時に行い、積極的に情報を発信したり、レビューを促すような魅力的なキャンペーンなどを開催するようすると高いCV率が狙うことができるかもしれません。
SEO的にも効果的
ECサイトにレビューを追加すれば、商品の購入を促せるだけでなく、実はSEOにも効果があります。
商品ページをGoogleの検索結果で上位に表示させるには、商品ページのSEO対策を行わなければなりません。
上位表示するには、質の高い情報を増やすことが大切で、ユーザーが投稿するオリジナルのレビューは優良コンテンツとしてプラスの効果が出やすいです。
更に、レビューは参照されやすいという特徴があり、被リンクの効果も得られる傾向があります。
レビューは、コンバージョンやユーザーからの信頼の向上、レビューを使ったマーケティングを可能とするだけでなく、検索エンジンからのトラフィックを獲得することにも役立ちます。加えて、レビューにより集めたトラフィックはユーザーの検索意図と合致している場合が多く、サイトにとって良質な流入です。
SEOの影響力を高めるため、効果的にレビュー収集を行う方法は下記の3つです。
・レビューをサイト内に表示し、レビューを書いたりシェアしてくれたユーザーに割引やクーポンを提供する。
・FAQセクションやインサイトFAQフォーラムを利用してユーザー間の交流を促し、ロングテールキーワードを増やす。
・マーケティングキャンペーンやブランドと関連性の高いハッシュタグを見つけ、使用をユーザーへ促す。
参照されたレビューは、商品ページに被リンクが貼られやすいので、ページ評価が高まり検索上位に表示されやすくなります。
レビューを集める方法

まずECサイトで扱っている商品が良質でオリジナリティのあるものでないと、レビューを書いてもらえません。
どこにでも販売されていてよく目にする商品のレビューをわざわざ書く方は少ないです。
また、レビューを簡単に書けることも大切で、更に特典などを用意すれば、書いてもらいやすくなります。
そしてレビュー数がゼロだと最初に書くことになり避けられますので、一定数のレビューは特典などを設けて集めておくことが大切です。
購入後のサンクスメール、フォローメールで依頼する
ECサイトで購入したユーザーに、メールアドレスでのアカウント登録をしてもらっておけば、購入後にサンクスメールを送信し、レビューを依頼することも可能です。
この方法でレビューを促せば、購入して頂いた感謝の気持ちを伝えて、商品に問題点がなかったか自然に確認することができます。
メールアドレスからそのままレビューフォームにアクセスし、記載できるのでユーザーが再度商品ページにアクセスする手間がかかりません。
メールでレビューを促すメリットとしては、違和感なく自然にアプローチできて、更にクーポンなどの特典を用意することで、リピート購入もしてもらえることです。
ただし注意点として、メールを送信するタイミングも大切です。
ユーザーの手元に商品が届き、使用してから送信しないと記載してもらえません。
早すぎても遅すぎてもダメなので、配送状況から適切なタイミングで送信されるように設定しておきましょう。
商品配送時にレビュー記載の依頼資料を同梱する
商品を配送した時に、レビュー記載の依頼資料を同梱することで、商品が届いて最も記載しやすいタイミングでレビューを促すことができます。
商品が届いて使用したタイミングが最もレビューを記載する意欲の高い時なので、依頼資料を同梱する効果は非常に大きいです。
この方法でレビューを促すメリットは、記載してもらえる可能性が高く、店舗案内やクーポンも合わせて同梱することで、違和感なく販促も行えることです。
ただし注意点として、商品と一緒に大量のクーポンや案内資料が送られてくると、反対にマイナス効果になってしまうので、押し付けないようにほどほどに行いましょう。
レビューを記載しやすいサイト、ページにする
レビューを記載しやすいサイトや商品ページにすることは非常に大切です。
自分が購入した時をイメージすると分かりやすいですが、何か商品に対して強い意見がない場合は、面倒に感じレビューを書こうとは思わないはずです。
なので、レビュー投稿フォームは、なるべく入力項目を減らして、簡単に記載できるようにしましょう。
レビューを書くために、メールアドレスやログイン情報、個人情報の入力があっては記載する前に離脱してしまうので、評価の点数と感想の2つだけで十分でしょう。
また、レビュー文のサンプル文を用意しておけば、ユーザーが考える手間を省くことができ、気軽に記載しやすくなります。
レビュー投稿フォームを簡単にする際の注意点は、GoogleやFacebookなどのアカウントから入力できるように設定したり、SNSシェアリンクを配置して、すぐにSNSで口コミを投稿できるようにすることです。
また、レビューの入力に必要な時間を明確な時間で表示することでも、記載ハードルを下げられます。
レビューの活用方法

では、次に集めたレビューの活用方法です。
レビューはただ集めて終わりではなにも意味がありません。なのでその集めレビューをどのように活用していけば良いのかについてお話しします。
LPやECサイトにレビューを活用する理由とは
「消費者の声」であるレビューをECサイトやLPなどに掲載し、マーケティングに活用することでCVR向上や売上アップなどの成果を出している企業が増えています。
レビューは、企業から発信される情報とは違い「消費者が自発的に投稿したもの」であるため、企業の宣伝色が排除された信頼できる情報として消費者に受け入れられます。
「企業が用意した宣材写真は綺麗すぎて実物と違うのではないか」「企業が用意した商品説明文は、良いことばかりが書いてあるのではないか」などと考える消費者は少なくありません。
同じ購入者という立場である生活者が自分で撮影した画像、自分の言葉で書いたテキストであるからこそ「消費者の"生"の声」として受け取ることができるのです。
レビューをマーケティングに活用するメリットとデメリット
では、その「生の声」であるレビューをECサイトやLPに掲載し、マーケティングに活用するとどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
メリット
- レビューに客観性があるため、消費者にとって企業主体の情報発信より信頼性、信憑性が得られる可能性が高い。
- 購入検討者が自分の境遇に近しいユーザーのレビューを見ることができるため、共感や親近感が得られやすい。
- 企業側から取材やアンケートなどのアプローチをしなくても、商品購入者、サービス体験者等から自然に寄せられる声を活用できる。
デメリット
- レビューの内容が企業にとって好意的なものであるとは限らないため、マイナスイメージに繋がる可能性もある。
- 事実とは異なる情報が発信されてしまう場合もある。
このように、レビュー活用には多くのメリットがある反面、デメリットもあります。
ECサイトやLPにレビューを掲載する際には、このようなデメリットがあることに注意し、根拠のない悪い噂や事実とは異なる情報が消費者に届き混乱を招くことが無いように注意を払わなければいけません。
活用するレビューを選ぶ
それでは、実際にどのようなレビューを、どのように活用することが良いのか見ていきましょう。
レビューには、様々な形式があります。テキストのみのレビュー、その中でも感想だけの短いものからブログのように長いものまであり、また最近では画像付き、動画付きのレビューも増えてきています。
テキストのみのレビューももちろん消費者の参考になる情報は沢山ありますが、「画像」や「動画」を伴うレビューは視認性が高く、商品の使用感がわかりやすい、実際購入した際のイメージが湧きやすいというポイントが多く、レビュー活用では画像や動画の付いたレビューが効果が出やすいと言われています。
では、画像や動画を伴うレビューはどのように集めたらいいのでしょうか。
ECサイトのレビュー機能で、テキストのレビューと共に画像や動画を投稿できるものも多くありますが、画像や動画が日頃から多く投稿されている「SNS」からレビューを集めてくることが効率的です。
SNSには、普段から画像や動画を撮って投稿することに慣れているユーザーが沢山いるため、こだわりを持って投稿された画像や動画が集まりやすい傾向にあります。
レビューに関する注意点

では最後にレビューを扱うにあたり、注意すべき点をご紹介します。
ステルスマーケティング(自作自演)をしない
まず絶対にやってはいけないことがステルスマーケティングです。
ステルスマーケティング=自作自演のことで、企業側が消費者になりすまして、レビューを投稿することを言います。
結論、ステルスマーケティングを行っても、ユーザーから見れば自作自演で書かれていることは見透かされますし、もしバレてしまえば、すぐにSNSで炎上して2度と商品を販売できなくなってしまいます。
本当に商品を購入した消費者が書いている内容ではないので、信頼性の低い情報として、購入に繋がる可能性も低いはずです。
バレないと思っていても、ネット社会で絶対に隠し通せる方法はなく、一度ステルスマーケティングを行ってしまうと、そのことが大きな足枷になってECサイト運営を行いづらくなってしまうので、絶対に行わないようにしましょう。
ECサイトのシステムによってはやりたいレビュー対策ができない
レビュー機能を搭載しようと思っても、そもそも活用しているECサービスでレビュー機能を搭載できない可能性があります。
なので、これからECサイトを構築する方は、事前に構築の段階からレビュー機能が備わっているか確認しておきましょう。
あらかじめ機能自体搭載されている場合もありますし、アプリを導入して機能をカスタマイズできる場合もあります。
もしくは、レビュー機能はオプション費用を支払わないと搭載できない場合もあるので、そちらも事前の確認が大切です。
今回はECサイトの売上を増やすために、レビューを採用する重要性や、レビューを増やす方法について解説しました。
ECサイトで商品を購入するユーザーは、実店舗のように商品を実際に手にとって購入できないので「本当に良い商品なのか?」「他の方の口コミが知りたい!」と考えています。
レビュー機能を搭載して、この記事で解説したレビューを増やす対策を行えば、ユーザーが安心して商品を購入しやすいページを作ることができます。
では、そもそも生活者はなぜレビューを投稿するのでしょうか?
「良い商品を多くの人に知ってほしい」「自分の感想が他の人の役に立ってほしい」という想いをもってレビューを投稿する方が多く、そのレビューを企業側でも上手に活用していくことでその想いに応えることが出来ます。
レビュー活用は、企業と生活者の想いを結ぶ大事な施策であると言えるでしょう。