目次
メルマガ概要

今回は前回のウェブ広告に続き、メルマガについてお話しします。
まずはメルマガの概要についてお話しします。
メルマガは、サイトや広告と同様にとても重要な顧客との接点です。それも、SNSや広告などと違い、「自前のメディア」であることがとても重要です。
ある程度、いろんな施策をやりつくしたECサイトなどでは、新しいツールやシステムを導入し、少しでも結果や効率を上げることを工夫していますが、それでもメルマガなどを十分に活用しています。
ちなみに海外ではメルマガはその特性から、特に実店舗との連携で、来店客とつながるための手法としては大変有効とされています。日本ではなかなか考えにくいですが、来店客に携帯番号を聞き、SMSでクーポンなどの特典を送り、メールアドレスを登録してもらい、メルマガを送るなどといった手法が主流であったりもします。
メルマガの基本的な考え方は、「情報の配信を希望したお客さまに、情報を配信する」ということです。メルマガの運用に関して、よくありがちなのは次のようなことです。
- いくつもメルマガを送ること
- 意味のないメルマガを送ること
- メルマガの配信で、意味もなくターゲットするために、やたらと配信すること
お客さまに送るメルマガ(メッセージ)は、送る意味のあるものでなければなりません。メルマガもやたら送れば、嫌がられてメルマガを解除されてしまいます。しかし、単に数を絞ればいいのではなく、送るべきタイミングに、送るべき内容を送ることが重要なのです。
その他にもあるかと思いますが、基本は「送る意味のあるものを送る」ということ。サイトの更新が義務的で、意味のない更新をしていれば、メルマガも当然意味のないものになります。
メルマガはお客さまのためになっているという前提が必要です。メルマガの話をしていると、配信が義務的になっていることや、迷惑になるからこの程度にしておかなくては、という話ばかりになることも多く、本末転倒です。
メルマガのメリット

継続的な関係性の構築
検索エンジンに自分の求める商品やサービスを入力してショップに来た新規顧客の多くは、ショップ名やサイト名をあまり意識していません。なぜなら「商品を購入すること」「サービスを受けること」が目的であり、「どこで購入するか」「誰からサービスを受けるか」という点には意識がいっていないことが多いからです。そのためリピート客にはなりにくく、1回きりの顧客となってしまいがちです。
ここで購入に対するお礼のメール、購入後いくらかの時間を空けてのアフターフォローのメール、さらにクーポン付メールやバースデーメールなどを定期的に送ることで、顧客は商品やサービスだけでなくショップ名を認知してくれるようになります。商品情報などの実用的なメール以外にも、経営理念や開発に至った背景などを紹介するメルマガを織り交ぜて配信することで、メール受信者がよりショップのファンになり、継続的な関係性の構築、長期的なリピーターの創出が期待できます。
顧客層ごとにアプローチが可能
SNSと大きく異なるのは、メルマガでは細かい顧客層ごとのアプローチが可能という点です。SNSでも「男性向け」「女性向け」など大まかな顧客層は可能ですが、その数だけアカウントを管理、運営しなければならず、その労力は膨大なものになります。またアカウントの数が増えすぎても顧客の混乱を招くことになるため、細かい顧客層ごとのアカウント管理はあまり現実的とは言えません。
メルマガの場合、性別や年齢といった大まかな顧客層はもちろんのこと、地域、職業、購入した商品、新規客か既存客か、メルマガを開封しているかどうかなど、細かなセグメントごとに設定して配信することができます。これによってより確実に、より効果的な情報を顧客に届けることができます。それぞれの顧客にとって無関係な情報を届けてしまう可能性が大きく下がるので、不快感を与えて購買から遠ざけてしまう危険性も少なくなります。ECサイトにとっても顧客にとっても、より快適な関係性の維持が期待できます。
時間を細かく設定できる
SNSとの違いに、配信する時間を細かく調整できるというメリットもあります。SNSだと配信しても、他の大量の投稿に流されてしまう、あるいは時間が合わなければ投稿があったことにすら気づかれずに終わってしまいます。しかしメルマガであれば、配信する内容や顧客に合わせて時間を細かく調整できるため、もっとも読んでもらいやすい時間帯を狙って届けることが可能です。
業界別のメルマガ開封率
アメリカのEメールマーケティングプラットフォーム企業であるMailchimp社が開封、クリック率を調査したデータの一部をご紹介します。

全ての業界の平均開封率は20.81%
メルマガの開封率はメルマガマーケティングにおいて重要な指標で、主に関連してくる重要な指標は以下の3つです。
- 配信日時
- メルマガの信頼性
- 件名
この3つがメルマガ開封率に影響を与える大きな要素と言われています。
まずはEメールを開封してもらえないことには、中身を読んでもらえないため、重要な指標として追うべき指標です。
メルマガにおいての目標にすべき平均開封率は、訴求コンテンツやターゲットによって異なるので一概にはいえませんが、興味深い調査レポートがありますので、参考にご紹介します。EメールマーケティングメディアMarketingProfsの記事によると、平均開封率9.7%~10%(ベンチマーク対象:2012年に配信された14億のメルマガ)という数字が出ています。ただし、これは莫大な配信数の平均のため、ある程度ユーザーがその企業に興味を持っている場合の平均値は、15~20%程にアップします。
逆に企業と関わりが薄いユーザーの場合、5~10%程になる場合もあります。
また開封率は、メルマガの件名、配信日時に影響を受けることが分かりました。件名は短い(半角で4~15文字)と平均開封率が高く、長くなるほど低くなる傾向があることが分かりました。配信日は、火曜と水曜の開封率が高く、配信時間は早朝や夕方がよいようです。
開封されるタイミングは、配信されてから1時間がピークです。開封されたメルマガの約半数が6時間以内という結果を考えると、読者はメルマガをあとでゆっくり見よう、という考えには至らないことが分かります。配信されたタイミングが読者にとってもメルマガを見られるタイミングであることが大切なのです。
また、メルマガ1配信ごとに、目標の達成度を評価するKPI(業績評価指標)を設定しましょう。メルマガのKPIには、流入数、クリック率、コンバージョン率、売上金額、開封率があります。Eコマースのメルマガでは主に売上金額を重視し、企業イメージ・情報コンテンツのメールはクリック率や開封率を重視する、といったように配信するメルマガの種類によってKPIを設定する必要があります。また、配信ターゲットを変えた場合、都度数値設定を見直し、今後の戦略を立てましょう。
メルマガ施策3選
会員情報のセグメントを絞って、メルマガを配信する

まず、マーケティングの基本中の基本ですが、万人受けを狙ったタイトルやコンテンツのメルマガを配信しても、効果は高くありません。
なぜなら、そのようなメルマガコンテンツは内容が薄くなるため、ユーザーに悪印象を与えるリスクが少ない反面、自分に関係があることか判断しづらく、開封率は伸びません。また、セグメント(顧客層)を絞る施策は、年齢層のほか、しばらく買い物をしていない休眠顧客にも効果的です。なぜなら休眠顧客に再びECサイトを利用してもらうには、高い訴求力が必要になりますし、仮に休眠顧客のメルマガ退会率が増えてしまったとしても、リスクが少ないからです。
タイトルを工夫する

数字を入れる
まずは、メルマガに限らずマーケティングの基本的なテクニックですが、タイトルに数字を入れる方法があります。なぜなら、数字がメルマガタイトルやブログタイトルに含まれることで具体性が増し、開封率やCTRに影響を与えるからです。
「限定」と言う単語をいれる
やはり、特別感や「今だけ感」があるタイトルは魅力的です。限定商品や、先着順というようなオファリングがある場合は、このような単語は使ってみるべきでしょう。
「?」をつけて理由や答えが気になるようにする
「?」をタイトルに付けて、ユーザーの関心を引くのは、マーケティングではよく使われる方法です。
できれば、「?」を使うときは、「?」後に文言を入れずにタイトルはシンプルにした方が「?」の印象が強くなるので効果的です。ただし「?」を使う場合は、事前にメルマガの企画を十分練る必要があります。
ユーザーの名前を入れる
メルマガの配信システムに依存する方法ですが、もし、ユーザーの名前をタイトルに入れることが可能であれば、開封率は一気に高くなります。
名前を入れた方は、自分宛てのメールのようになり、思わず開封してしまうのではないでしょうか。このテクニックを使うのが初めての場合、必ずと言っていいほど開封率は高まります。
ただし、ユーザーから見れば個人宛てだと思って開封したものの、「何だ、ただのメルマガじゃないか」と裏切られたように感じる方もおりますし、また、開封率が高いからといって毎回のように行うと、ユーザーも慣れるので開封率は下がります。
メルマガでユーザーにSNSアカウントを紹介する

メルマガは重要なチャネルであることは間違いありませんが、同様にSNSも重要なチャネルです。しかも、SNSの場合は、メルマガと違ってアカウントをフォローしているユーザーへのコンテンツ配信がカンタンで、ユーザーの生活の中に溶け込みやすいというメリットがあります。
もし、SNSアカウントがあれば、メルマガでユーザーを自社のSNSに誘導してみるべきでしょう。熱心なリピーターであれば、情報を欲しているはずだからです。
ただし、単にSNSアカウントを紹介するだけでは、なかなかフォローは見込めません。そこで、フォローしてくれた方に抽選でプレゼントを送るなど、キャンペーン企画をあわせて実施します。
いかがでしたでしょうか?
一般的にメルマガで重要と言われていることは、たくさんあるわけではなく大事なのは自社のお客さんを研究しつつ常に改善して売り上げ向上につなげる。と言うことです。