読者対象:ECサイトの広告に手ついての悩みがある人。前回の記事の深堀した内容を知りたい人
この記事を読んで得られるもの:ECサイトに特化したWeb広告についての内容
今回は、前回に引き続きECのマーケティングについての記事になります。その中でも広告に特化した内容になります。
ECサイトへの検索による集客を増やすためには、SEO対策を行ってオーガニック流入数を増やす必要があります。
ただし、SEO対策は簡単ではない上に時間もかかるため、他の施策と同時並行で行わなければ売上向上が先延ばしになってしまうことがあります。
コンテンツマーケティングも同様で、オウンドメディア制作を行ってもすぐに集客が可能となる訳ではなく、さらに制作コストがかかるため、こちらも単体で行う施策としてはおすすめできません。
そこで今回はその代替となるECサイトの売り上げに貢献する一つのツールとしてWeb広告について詳しくご紹介します。
目次
Web広告の種類
まずは、Web広告にはどのような種類があるのか。そこからはお話しします。
Web広告という単語は特定の広告などを示すのではなく、広義でWeb媒体に出稿される広告のことを指します。
そのなかでも代表的なものを紹介し、またそれぞれのメリットなどについてもお話ししていきます。
リスティング広告

まずはリスティング広告からです。
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果にユーザーが検索したキーワードに連動して掲載される広告のことを指します。
つまり、広告媒体は検索エンジンで具体的にはGoogleやYahooがメインになりますがそれぞれの視野は、Googleで79%、Yahooが12%となっており、モバイルでもGoogleが75%Yahooが24%となっているのでGoogleを中心に対策を施すべきでしょう。主なメリットはこのようなものがあります。
・顕在層にアプローチできる
リスティング広告を経由したユーザーは、自身でキーワードを入力し流入しているため、興味関心が高く、一定以上のニーズを持っているため、サイト内でのアクションにつながりやすい傾向にあります。
・低予算から出稿できる
リスティング広告には、最低出稿金額が設けられていません。
数百円単位からでも始めることができ、クリックされた回数に応じて費用が発生します。広告がクリックされなければ、費用は一向に発生しません。
・検索結果の上部(自然検索の上)に表示できる
リスティング広告が表示される広告枠は、検索結果の上部です。オーガニック検索で1位を獲得しているサイトよりも、さらに上に表示されます。下記のように検索ユーザーの目に入りやすいため、高い集客効果を見込むことができます。
・即効性がある
SEOは効果が出るまでに最低でも数ヵ月はかかり、また手間もかかる施策ですが、リスティング広告は出稿したその日からCVなどの成果を上げることができます。
ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上にテキスト形式やバナー形式で表示される広告のことで、様々なポータルサイトのトップページやアプリの広告枠に表示され、より多くのユーザーに広告配信することができます。
そして、以下のようなメリットがあります。
・ブランディングできる
ディスプレイ広告はテキストだけでなく、画像や動画で視覚的・聴覚的な印象をユーザーに与えることができるため、ブランディングに適しています。
・潜在層へのアプローチ
「特定の商品が欲しい」「特定のサービスを使用したい」という顕在顧客には、検索広告が向いています。
一方で、「商品の購入を考えていない」「今すぐにではないが、今後購入予定」「購入の意欲はあるが具体的なイメージがない」という潜在顧客には、ディスプレイ広告が向いています。
・リターゲティングができる
リターゲティングとは、検索などを通じてWEBサイトや商品ページに訪問したことのあるユーザーに広告を配信することです。既に自社のサービスや商品に興味や関心を持っているため、購入に対してのモチベーションが高いと言えます。
・訴求点が豊富
テキストだけでなく、画像や動画等で表現できるメッセージの量や幅がリスティング広告よりも充実しているため、様々な訴求でユーザーにアプローチができます。
SNS広告

次にSNS広告です。
SNS広告とは、Facebook・Twitter・Instagram・LINEといったSNSプラットフォームに配信する広告のことを指します。
SNSのタイムラインやストーリーズ、おすすめアカウント欄に表示される広告などが該当し、最近ではテキスト、バナーだけでなく、動画やカルーセルを活用して訴求するものも増えています。
検索結果に連動して表示されるリスティング広告と同様に「運用型広告」呼ばれ、ターゲット・クリエイティブ・配信フォーマットなどの改善を行いながら、広告効果を最大化させていきます。
SNS広告にはこのようなメリットがあります。
・ターゲティングの精度が高い
SNSはユーザーがアカウントを登録する際に、年齢や性別・勤め先・役職・学歴・趣味といった個人情報の登録が求められます。
このようなユーザー自身が入力したデモグラフィックデータと、SNS上の行動データ(いいね・シェア・動画再生など)を元に、詳細なターゲティングが可能になります。
・潜在顧客にリーチができる
商品に興味のあるユーザーや特定の悩みを抱えたユーザーといった「顕在層」にアプローチすることはできますが、そもそも商品を知らないユーザーや、悩みを自覚していないユーザーに届けることができません。
その点、SNS広告は、様々なユーザーに対して積極的に広告を発信できる「プッシュ型」の広告です。
・他の広告よりもユーザーに受け入れられやすい
企業から消費者に向けた一方的な広告コミュニケーションは、「無視される」「嫌悪感を抱かれる」など、十分な効果が得られないことが多くなってきました。
一方でSNS広告は、プッシュ型の広告でありながら、ユーザーのタイムラインに自然に溶け込むことや、クリエイティブの手法が豊富なことから、比較的ユーザーに受け入れられやすい傾向があります。
アフィリエイト広告

最後にアフィリエイト広告です。
アフィリエイト広告は、Web広告の種類のひとつで、アフィリエイターが保有しているサイトやSNSに広告を設置してもらうものです。
一般的なアフィリエイト広告では、ユーザーがそのリンクを通して商品を購入するなど、CVにつながった場合に報酬を支払う成果報酬型となります。
以下のようなメリットがあります。
・費用対効果が高い傾向にある
最も一般的な成果報酬型のアフィリエイトは、アフィリエイターのブログやメディアを訪問した顧客が商品を購入する、資料請求をする、あるいは広告をクリックするといったアクションを行わない限り報酬を支払う必要がなく、余計な広告費がかかりません。
・多くのユーザーにPRできる
アフィリエイターのサイトを通じ、自社ブランドや商品を知らないユーザーに対して認知拡大できることもアフィリエイト広告の魅力のひとつです。
影響力の大きいアフィリエイターが広告を掲載してくれればCVが見込めるだけではなく、実店舗への来店につながる可能性もあります。
・初期費用が少ない
ASPを利用するには、初期設定費用やデポジットがかかりますが、中には初期費用が不要のASPもあります。
マス広告に出稿するには数十万円単位の費用がかかることを考えると、初期費用を低く抑えられることは嬉しいポイントといえるでしょう。
ECサイトの広告対策
ECサイトのおけるメリット・デメリット

メリット
広告を使うことの最大のメリットは目的別に合わせて効率的な集客が可能な点です。
各々の扱う商品やサービスに合わせて広告を組み合わせて集客することで、大幅な売上向上が見込めます。
また、始めた次の日から集客が見込めるという「短期的に効果が出やすい」というのも広告のメリットと言えるでしょう。
デメリット
広告を使うことの最大のデメリットはやはり広告費がかかることです。中には行き過ぎた広告で売上利益を圧迫してしまうケースもあるので、売上に合わせた広告費設定で効率の良い集客をしていくことが大事です。
最初に述べたように、おすすめなのは短期的な施策として広告で集客を行い長期的な施策として、ブログやinstagramなどの運用を行い、チャネルを分散させてお客さんを獲得していくこと必要があります。
ECサイトで広告をより有意義なものにするために

ターゲットと目標を明確に
まず始めにターゲットとする顧客と広告の目的を明らかにし、ゴール(目標)を設定することが重要です。
ECサイトへのアクセスをどれくらい増やしたいのか、コンバージョン率を何%に引き上げたいのか、売上をいくら上げたいのか、明確な数値目標を立てることが大切です。
インターネット広告は出稿したら終わりではありません。広告出稿後にはツールを用いて効果を計測・分析し、継続的に施策を切り替えていく柔軟さが大切です。
広告の選び方と優先順位
インターネット広告を選ぶ際に重要なのは、ターゲットと目的を明確にすることです。
まずどのようなターゲットに訴求したいかを明らかにし、その顧客層に最適な広告形態を採用する必要があります。
また広告の目的が商品を広く認知してもらうためなのか、コンバージョン率を上げたいかによっても最適な広告形態は変わってきます。
顧客を「潜在層」「顕在層」「顧客層」に分けた場合、リスティング広告は「顕在層」へのアプローチに向いており、リターゲティング広告とアフィリエイト広告は「潜在層」から「顧客層」、Facebook広告とInstagram広告はすべての顧客層にアプローチできます。
また、この3つの顧客層の優先順位ですがそれぞれの事業者ごとに戦略があるので一概には言えないのですが、一般的なのは一番最初に潜在層が来て、それに顕在層、顧客層と続いていきます。この順番は自社に利益を一番産まない顧客層順に並んでおり、新規顧客を増やすと言う手法をとったものです。しかし、顧客層に今よりも買わせようとした戦略になるとこの優先順位は逆転します。
初めてインターネット広告を出稿する場合は、商品への関心度が高い顕在層に効果的にリーチ可能なリスティング広告がおすすめです。
リスティング広告は低額な予算から出稿可能で、コンバージョンにも繋がりやすく、費用対効果の面でバランスが取れています。
その後、潜在層にもアプローチしたい際や、顧客層をファン化していきたいといった場合には、Facebook広告とInstagram広告などのSNS広告を採用し、コンバージョン率をさらに高めたい際にはアフィリエイト広告を採用するといった形で、都度広告形態を追加していくのがおすすめの方法です。